10月7日-9日
3基の神輿が県庁坂を疾走する「もりこみ」
一般に知られている長崎くんちは、諏訪神社をはじめとする市内4カ所の踊り場で、踊町(おどっちょう)の氏子(うじこ)が「だしもの」や「踊り」を披露する町民の祭りだ。
神事としての祭りは、諏訪神社で御神幸(ごしんこう)が行われる。7日に神社を出発して、約1.6km離れた御旅所である大波止まで「お下り」をして、9日に神社に戻る「お上り」をする。12町から参加した総勢百数十名の行列と3基の神輿だ。それぞれの神輿は16人の屈強な若者に担がれてしずしずと進むが、各要所では一転して全力疾走となり、「もりこみ」と呼ばれる勇壮な荒技を見せる。
踊り場で「だしもの」や「踊り」を披露した踊町は、長崎旧市内へと向かう。ここで一軒一軒の店や家を回り、「庭先回り」という門付け(かどづけ)をするのだ。龍(じゃ)は銅鑼の音と共に、軒先に頭を突っ込み、そして舞う。「だんじり」は店や家の前で祝い唄を歌う。本踊りも、一軒ずつ短い踊りを奉納していく。1つの踊町が1日800軒から千軒を回るという。3日間では大変な数だ。店や家々には、訪れる前に「呈上(ていじょう)」と書いた札を渡す。記帳係がいて、あとでこの店や家々に「御花」と呼ばれるご祝儀を受け取りにいく。それぞれの店では5町〜7町もの「呈上」がくるので、その御花料もたいへんだが、この町内の店や家によって祭りが支えられている。各町内7年に一度のこの祭りは6月1日より始まり、子供、若者たちの練習が始まる。そして祭りまでは、年配の世話役たちも準備、会合など忙しい日々が続き、その費用も御花料によって支えられている。
長崎くんちは、諏訪神社、八坂神社、公会堂前広場、大波止にある御旅所の4カ所で、踊町(参加する町)が踊りやだしものを奉納するのを観覧する。諏訪神社には左右に枡席があり、ここは6月初旬に売り出しと共にすぐに完売する。A席は4人掛けで2万4千円。一方、「長坂」と呼ばれる神社正面の参道の階段は無料の特等席で、300名が拝観できる。この場所は10月7日に整理券が配られるのだが、2日前から徹夜組ができるほどの人気だ。初日はどこもすぐに完売なるが、2日目、3日目になると当日でも桟敷にはいれることもあるので、問い合わせをすると良い。
諏訪神社くんち踊馬場さじき運営委員会(TEL095−821-8596)
お旅所=元船町自治会事務所(TEL095−823-9073)
八坂神社=さじき運営委員会(TEL095−822-6742)
公会堂前広場=長崎商工会議所(TEL095−822-0111)
(2008年10月7-9日撮影)
諏訪神社の参道を下り、「お下り」と呼ばれる御神幸に出発する。中央の赤い人物は猿田彦(さるたひこ)の天狗。
庭先回りで、踊りやだしものが店や家々を訪れる前の挨拶の呈上の札。
庭先回り。恵美須船が魚屋を訪れて大漁唄を歌う。
庭先回り。龍(じゃ)が訪れて、龍踊を奉納する。
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